◎本市の観光戦略について
おはようございます。進政会の川内賢幸です。元気みなぎる都城めざして活動しております。
今回は、本市の観光戦略について、さつまいも基腐病などへの対応について、みやだいずの今後について質問してまいります。
本市の観光資源は非常に豊富であると私は感じております。ただ、残念なことに市民の方々の中には「都城には何もない」といわれることも多々あります。私はそのたびに、関之尾の滝や母智丘の桜、人形浄瑠璃や弥五郎どん、島津を中心とした史跡などその魅力をお伝えしています。
このことから言えるのは、私たちがわが町の観光資源や売りに対して、自信と誇りをもって磨き上げていくことで初めて対外的に輝ける元気な姿を届けることができる、魅力の発信ができると考えています。例えば、観光客の方がお越しになり、この辺りではどんな観光スポットがありますかと聞かれ、何もないよと答えるより、この辺りならこれとこれとこれ、といったように市民自身が都城の持つ魅力に気づき、自信をもって生活していく姿こそ、スマイルシティであり元気な都城ではないかと考えます。
そういった考えのもと、これまでの議員活動を通じて私は「観光産業は、本市の基幹産業である農業に並ぶ産業に昇華できる」と述べてまいりました。
本市のここ2,3年の観光に対する取り組みは、それ以前に比べると進んできていると実感しています。もちろんまだまだではありますが、それでも観光に着目した事業が提案され取り組んでいることに、個人的には評価をしております。今後、どのような結果が出るか楽しみでもあります。
そこで、お尋ねしますが本市の第二次総合計画等では、本市の観光入込客数の目標値が2年後の2021年に1540531人に設定されており、年間宿泊数は294052人と設定されておりますが平成29年度の実績はどうだったのかをお尋ねします。以上、壇上からの質問を終わり以後は自席にて行います。
【答弁】
平成29年1月から12月までの観光入込客数は、149万6千90人でございます。また、年間宿泊数につきましては、30万26人でございます。
来年度の観光入込客数の目標到達にはあと5000人程増やさないといけないことがわかりました。宿泊者数については目標値よりも多い結果となっていますが、この数値は計算上では観光客に限った数値ではないと聞いています。やはり、本市として旅館業組合や事業者との連携を密にしながら確実な本市への観光目的の宿泊者を数値化する必要があるのではないでしょうか。観光入込客数についても同様で、ツアーや市、観光協会の窓口を通じて観光に来られる方々をしっかりと把握することこそ大事だと考えますので、この点本市独自の取り組み構築することを提案しておきます。
次に本市がPRの柱として取り組んでいる肉と焼酎のまち都城を生かした、「ミートツーリズム」事業についてお尋ねします。
本事業は、平成29年度から実施されている本市への観光客誘致を目的に肉と焼酎を柱にしたツアー造成等に補助金を交付するものですが、ツアー件数と参加人数はどうなっているのか、ツアー客はどのような方々なのかお尋ねします。
【答弁】
平成30年度のミートツーリズムのツアー造成件数につきましては、平成31年 3月末で、48件を見込んでおります。また、ツアーの参加者数につきましては、平成29年度の53人から大幅に増加し、450人を見込んでおります。
また、アンケート結果によりますと、ツアー客は、関西や関東、九州各県からお越し頂いており、年齢では60代以上の人が多い状況でございます。
本年度のミートツーリズムツアー造成予定が48件、参加者数が450人ということで、まだまだ少ない数字ですが着実に伸びてきているあたり、今後の取り組みにも期待をしたいと思いますが、今後については後ほど提案させていただきます。参加客については全国各地からおいでのようですが、年齢では60代以上の方が多いということで、この辺りは時間的な余裕や金銭的な余裕がある年代ということかもしれませんが、この辺りのリサーチをより一層進めていただき、さらにこの年代をターゲットにミートツーリズムを派生させること、また若い世代や外国人に向けにも来たいと思わせる見せ方やPRの仕方を構築されるよう今後に期待します。
次に、ミートツーリズムツアーの補助対象となる宿泊施設についてお尋ねします。現在、対象施設として20施設登録されていますが、他にも利用率の高いホテルが本市にはいくつかあります。また、市の施設として、高崎や関之尾のキャンプ場は登録があるにもかかわらず青井岳や高城のバンガローは登録されていないようです。現在、どのような基準で選定されているのか、今後の拡充の予定はないのかお尋ねします。
【答弁】
ミートツーリズムツアー造成支援事業費補助金の対象となる宿泊施設は、市が指定する市内の宿泊施設となっており、都城市ホテル協会及び都城市郡ホテル旅館組合に加入している施設及び通年を通して営業している市が管理する宿泊施設としております。なお、旅行業者等の意見も参考に、今後、見直しについても考えてまいります。
今日のキャンプブームや、ツアー客の選択肢を増やすこと、季節に合ったツアーの提案といった点を考えれば、こちらの都合より観光客のニーズを満たすことが今後のツアー拡大には必要不可欠だと考えますので、この点新たな視点、考え方でツアーが展開をされるようしっかりと見直しをすべきです。
次に、青井岳キャンプ場の利用についてお尋ねします。青井岳キャンプ場は宿泊環境やレジャー施設として、周辺の自然環境や温泉も含め非常に魅力的な施設ですが、7月、8月の2か月間のみしか利用されていません。通年利用しない理由は何か。今後、通年利用にしていく考えはないのかお尋ねします。
【答弁】
青井岳キャンプ場は、川での水遊びなど、夏ならではの楽しみを売りに、7月8月の期間限定で運営しております。
近年のキャンプは、オートキャンプやグランピングなど様々な形態があり、年間を通して実施されるようになってきております。青井岳キャンプ場については、そのような様々な形態に対応できる設備を備えておりませんので、通年での利用は考えていないところです。
設備が乏しいので通年利用をしないというのは、理由としてはどうなのか。キャンプとはそもそも自然を楽しむレジャーです。その点でいくと青井岳キャンプ場は十分に満たしている。また、グランピングとは、グラマラスとキャンピングを合わせた造語ですが、テント設営や食事の準備などのわずらわしさから旅行者を解放する贅沢な自然体験キャンプをさします。いわゆるキャンプのリゾート化です。
私は、青井岳キャンプ場こそ、見せる自然を最大限に生かしたグランピングにふさわしい場所だと考えています。九州では福岡、熊本、長崎などに自然を生かしたグランピング場があります。また、昨年末には小田急電鉄が川崎市多摩区に、商業施設エリア、温泉施設エリア、自然体験エリアの3つのゾーンを備えたグランピング施設などを2023年度までに整備するというニュースもありました。これ以外にも、全国の自治体が新たな観光施策としてキャンプ場の整備に乗りだしています。
青井岳地区は自然が豊かであり、住民の方々や青井岳を生かした本市の魅力づくりに励んでいる方々は自信をもってその魅力をPRされておりますし、イベントや温泉、レジャーにお越しの方々からも高い評価を受けております。
青井岳キャンプ場周辺では、川遊びや昆虫採集、自然の涼しさを満喫できる夏の時期はもちろんのですが、5月、6月には蛍が乱舞し、秋には素晴らしい紅葉を見ることができます。現状では、本来の持つ魅力の半分も生かせないままになっているわけです。かつてはキャンプといえば、家族連れがメインでしたが、現在はそれに加えて大人のキャンパーも増え、冬の時期こそキャンプに行くかたも非常に多いと聞いています。
今後、2巡目国体を迎えるあたり宿泊施設の問題解消にもつながりますし、天神ダムや周辺のアップダウンの激しい道を活用した合宿なども期待できます。
しっかりと現地の状況や地区住民の方、指定管理者との協議を踏まえて今後の扱い方を検討すべきだと思います。ぜひ、総合的な魅力づくり、最大限活用の観点から青井岳キャンプ場の通年利用とさらなる施設整備に取り組んでいただくようご提案いたします。
次に、ミートツーリズムツアーとからめた各種ツアーとの連携についてお尋ねします。現在は、観光もあの手この手で様々な体験型、着地型ツアーがでてきております。なかでも個人的に面白いな思ったのは、国土交通省や九州電力がツアー会社と連携して実施しているダムツアーです。ダムを見て回り、普段は入れない場所などを巡るツアーであり、人気があるダムカードを収集する方やダムに魅せられたダムガールなる女性もいると聞いております。
本市では、大淀川第一ダム、天神ダム、木之川内ダムの3つのダムがあり、周辺まで含めればかなりのダムが存在しています。国土交通省のホームページでは定期的にダムツーリズムに関する情報が更新されており、年4回「ダムを見に行こう」というパンフレットを発行して盛り上げており、ダムカード情報も掲載れています。この中には天神ダムもあります。
そこでお尋ねしますが、これまでこのダムツアーに関して相談を受けたことはないか。ミートツーリズムとの連携を考えたことはないのかお尋ねします。
【答弁】
これまで、ダムツアーについての相談等はないところですが、今後、他市のダムツアーの事例等について研究してまいります。
参考までに、これは先日天神ダムの事務所で頂いた「ダムカード」です。受付で記名すればだれでも入手可能です。私が驚いたのは記名されている方の多さとどこから来たのかという点でした。今年だけでも、連日希望者がおり、東京や埼玉など関東方面から関西方面も含め、実にいろんな場所から天神ダムのダムカードを求めて来訪されていました。
また、天神ダムでは、ダムの理解を広げる取組として事前に問い合わせは必要ですが、ダムの遮水壁の中を歩く体験が実施されています。遮水壁の高低差は60mであり、急勾配の階段を60m降りて行き、対岸へ上るというものです。非常に貴重な体験ができます。ぜひ、ミートツーリズムと抱き合わせたツアー造成に期待したいと思いますが、こういったものは一過性のブームでもあるのでその時期を逃すことが無いように研究をしていただきたいと思います。
次に、先ほどの質問とも関連しますが、本市の観光地としての魅力を最大限生かすためには、豊富な選択肢も必要だと考えます。参加者が伸びているミートツーリズム参加者をより一層増やすために、新たなツアー造成について旅行業者と協議したことはないのか。今後市として考えているビジョンはないのかお尋ねします。
【答弁】
本市では、「日本一の肉と焼酎」を掲げ、ミートツーリズムに特化して、旅行業者に対しツアー造成に関する営業を進めております。また、ミートツーリズムのための体験メニューの発掘もしているところです。
今後は、平成31年度から配置予定の観光イノベーターを活用し、新たな「魅せる観光地」について取り組んでまいりますので、そういう視点でのツアー造成についても考えていくとともに、引き続き、ミートツーリズムを推進し、都城の特性を活かし、旅行者のニーズに応えたものにしていきたいと考えております。
先ほど、ツアー造成は48件とお聞きしましたが、肝心なのはその中身であり、ツアーを通じて本市の魅力を感じ、体験して理解してもらう事こそ最も大事であると考えます。現状の補助条件は、指定の宿泊場所に泊まることとグランドメニューを食すことになっています。このパンフレットに記載されているような、関之尾の滝、島津邸、高千穂牧場といった観光地や体験できる施設へ行くことの縛りはないということで非常に驚いております。ツアーを通じて本市に来る方々に、本市の魅力を十二分に魅せること、体験することができないツアーでは意味がない。補助はきっけづくりとして少しずつ成果は出ている。そのうえで、補助目的で組まれたツアーと、本市の観光資源に魅かれてくる方々には大きな違いがある。数よりも、本市のファンを増やすしリピーターになってもらい、お金を落としてもらうことが観光の本質だと考えます。
先ほどの答弁では「魅せる観光地づくり」に取り組むとありましたが、なおさら今のツアー補助条件のままでは意味がない。やはり魅せる部分をツアーに組み込んでもらってこそではないでしょうか。そのあたりをクリアにするためには、自らツアーを造成して募集をすることが何よりも必要です。インバウンド対策にしてもまだまだインフラ整備も足りておりませんし、インバウンド向けのツアーも現状では弱すぎます。先進地では、日本の武道を生かした「武道ツーリズム」が人気だそうです。本市の弓道や木刀は日本文化を代表するものであり、非常に魅力的です。こういった視点もミートツーリズムと絡めてもおしろいと思います。
ミートツーリズムは旅行業者にツアー造成を促す事業ですが、やはり提案して形になるもの、ならないものも出てくるのでないでしょうか。本市の持つ魅力を最も理解しているのが観光協会だと思います。観光庁のデータを見ますと、県内で旅行業の資格を取得している観光協会は延岡のみのようです。
観光協会との連携については、これまでの質問でDMOの設置も含めて述べてきましたが、観光協会と連携して自らツアーを発信していくことが必要だと考えます。
参考までに、昨年世界遺産群に登録された熊本県天草市では、これをチャンスと捉え旅行業2種を取得し、観光協会で様々なツアー募集を始めており好評だそうです。
例えば、自分で釣った魚をすし屋で堪能プランでは船上から世界遺産の教会を眺めながら釣りをし、その魚をすし屋で食すというものです。ほかにも天草人形絵付け体験や、盛んなオリーブ栽培を生かしたツアーなどが提案されています。
地元を生かし、地元の店舗などとの連携を密にできるのは自治体や地元の団体に他なりません。新年の賀詞交換会では、各地で今後の取り組みとして「観光」に力を入れたいとの声が聞かれました。このことからも、これからの地方戦略には観光が欠かせないことを改めて感じた次第です。
本市のミートツーリズム関連予算は3300万程度計上されております。これだけの予算を使うわけですので、その効果が何倍にもなって本市に帰ってくることが大事ではないでしょうか。
ぜひ、自ら出ていくスタイルでこれからの本市の観光産業を幾重にも発展させていただきたいと思います。これらの視点を含めたミートツーリズム事業のさらなる改善に早急に取り組むことを提案いたします。今後、早い時期での新たな展開を期待しております。以上でこの質問を終わります。
◎さつまいも基腐病等の現状と対策について
次に、さつまいも基腐病等の現状と対策についてお尋ねします。昨年、沖縄や鹿児島でさつまいもに新たな病気が見つかったとの報道がありました。その後、本県でも県南部を中心に同様の病気が発生していると報道がありました。 この病気はさつまいも基腐病、さつまいも乾腐病と呼ばれているようです。そこで質問ですが、さつまいも基腐病、さつまいも乾腐病とはどのような病気なのでしょうか。台湾や中国をはじめ広い範囲、海外で発生しているようですが、どのような被害が出るのかお尋ねします。
【答弁】
さつまいも基腐病は、まず、地上部の茎及びイモの茎に近い部分が腐敗します。さらに被害が進行すると、茎の上部とイモ全体に腐敗が広がり、乾燥して硬くなって株が枯死するといった症状が現れます。
病原菌は糸状菌、いわゆるカビの一種で不完全菌類に属し、発病したつるやイモで伝染し、害虫の食害などの傷により病原菌の侵入が助長されます。
台湾、中国、韓国などでの発生が知られており、国内では平成30年に初めて沖縄県で確認され、次いで鹿児島県、宮崎県でも発生が確認されております。
また、さつまいも乾腐病は、糸状菌の一種で不完全菌類に属する病原菌が、主に収穫時や出荷時にできた傷口から侵入し、貯蔵中・輸送時に発症してイモが腐敗する病気です。貯蔵病として国内でも広く知られております。
品種による差異については、宮崎県が取りまとめた発生状況調査では、品種による格差はない、との意見もありますが、今のところ明らかになっておりせん。今後、国レベルで研究が進められる予定となっております。
さつまいも基腐病については、国内で昨年初めて確認されたとの答弁でしたが、沖縄、鹿児島ときて本県での発生が確認されたわけですが、本市での被害状況はどうなっているのかお尋ねします。
【答弁】
宮崎県が取りまとめた発生状況調査によりますと、本市での発生状況は、栽培面積1,561ヘクタールの内、発生面積が37.4ヘクタールで、発生割合は2.4パーセントとなっております。
ただし、当調査では、茎やイモの腐敗症状が見られたものを、生産者等への聞き取りにより取りまとめたものであり、さつまいも基腐病やさつまいも乾腐病など、どの病気で症状が出たのかまでは不明となっております。
只今答弁いただきましたが、被害状況が37.4ヘクタールということで、全体の作付面積に比べれば2.4%とわずかに思えますが、今後整備をする桜木工業団地整備予定地が29ヘクタールですので、あれよりも広い面積で収穫できるさつまいもが被害を受けたと考えれば相当な量ということになります。非常に心配です。
この病気は、昨年5月に沖縄県病害虫防除技術センターに黒褐色に腐敗した甘藷が持ち込まれたことで判明したようです。その後、鹿児島、宮崎と相次いで被害が確認されたところですが、このような病気が海を越えて発生している要因として何が考えられるのかお尋ねします。
【答弁】
傷口から病原菌が侵入することから、今年度発生した台風が一つの要因として挙げられておりますが、沖縄、鹿児島、宮崎で発生した要因については、明らかになっておりません。
主だった要因は明らかになっていないということで、ますます心配です。この病気については、要因が明らかになっていない以上、発生県はもとより近隣の県や自治体などと広く情報を共有して連携を図ることが大事だと考えますが、連携状況はどうなっているのか。また、作付け農家さんへの啓発と連携はどうなっているのかお尋ねします。
【答弁】
宮崎県では、平成30年12月25日に、県及び関係機関・JAや酒造組合等の関係団体で構成される、宮崎県かんしょ茎・根腐敗症状対策会議が設置され、平成31年1月29日に第2回目の対策会議が開催されております。
北諸県地区でも、平成31年2月12日に、かんしょ茎・根腐敗のまん延防止や生産者への防除対策の周知徹底を図り、収量品質の向上を支援することを目的に、北諸県かんしょ茎・根腐敗症状対策会議が設置されております。
引き続き、これらの対策会議を通じて、隣県を含めた関係機関・関係団体との連携及び情報共有を図ってまいります。
また、作付農家への啓発につきましては、県が主体となって、JA、普及センター、酒造組合等を通じた防除対策の周知や発生農家への濃密指導などの取組が行われることになっております。市としましても、機会がある毎に作付農家への周知を図ってまいります。
やはり、今回の病気については主な発生要因が確定できていない状況ですので、答弁ただいたように細かな情報発信や共有、連携が非常に重要であると考えます。作付け農家さんの話を聞くと、本年の作付けにも大きな不安を抱えており、抜本的な対策はないのか、従来通りの防除しか手立てはないのかと不安の声を聞いております。
そこで質問ですが、今回確認されたさつまいも基腐病、さつまいも乾腐病への対策としてどのようなものがあるのか、農薬などの有効な対策はどうか、今後の対応も含めてお尋ねします。
【答弁】
さつまいも基腐病については、国内での発生が初めてということもあって情報が少なく、宮崎県も、症状の発生を低減する農薬等の現地実証試験を行っているところであり、対策が確立されているとは言えない状況であります。
しかし、これまでさつまいも乾腐病など他の病気に対して行われてきた、残さの分解を進める、健全な苗を育成する、ほ場の消毒と排水性を改善する、苗の消毒をするといった、基本的な対策が有効とされております。
今後は、こうした基本的な対策を生産者の方に啓発し、関係機関との連携を密にして、広く情報を共有していくことが重要であると考えております。
さつまいも基腐病については、対策が確立されておらず県では農薬等の現地実試験を行っているということですのでその結果に期待をしたいところです。総体的には、これまでほかの病気対策として行われてきた取り組みを徹底するということが当面の対策ということで、被害農家さんはもとより、携わる農家さんへの対応周知と実行をしっかりと行い、不安が少しでも解消されるように情報共有と連携を深めていただきたいと思います。
この病が広がれば、肉と焼酎のまち都城が大打撃を受けることは間違いありません。何としても、これ以上被害が広がらないようにしないといけない。作付け農家さんからは、「焼酎の消費落ち込みを受け、減反の話が来ている。この病気が入れば農業を続けられない」といった悲痛な声もきかれています。
作付面積が大きな農家、法人ほど防除に数百万の費用が掛かっていると聞いております。今回、新たな対策が確立されても、費用面から厳しいと判断する農家さんも出るかも知れない。何かしらの対策が確立された場合には、ぜひとも里芋の時同様に防除・対策に関する補助事業を構築していただくよう提案いたします。 以上でこの質問を終わります。
◎「みやだいず」の今後について
次に、「みやだいず」の今後について質問してまいります。昨年12月の広報都城で大々的に取り上げられた「みやだいず」ですが、都城の在来種であることがわかっています。「みやだいず」という名前は商標登録されておりますが、どのような経緯で商標登録されたのかお尋ねします。
【答弁】
平成22年に宮崎大学において、遺伝子研究のため都城市内の農家から譲り受けた大豆の種子が、遺伝子分析の結果「都城在来種」であることが確認されました。
宮崎大学では、この「都城在来種」を産業に結びつけるための検討を進め、ブランド化するために平成28年10月に「みやだいず」の名称で商標を登録しております。
宮崎大学での分析の結果、都城在来種であること、産業に結び付けるために商標登録をしたとの答弁ですが、実にスピード感のある対応だったな感じております。
今、答弁いただいたようにせっかく都城在来種であれば産業につなげたいという思いがあるわけですが、現在「みやだいず」を作付けされている農家がどれほどいるのか、作付面積と収穫量はどれほどなのか、一大産地化して産業とするための課題は何かお尋ねします。
【答弁】
現在、きらり農場高木、きっとかな田及び夢ファームたろぼうの3法人で作付けされており、作付面積としましては、平成29年が5.2ヘクタール、平成30年が7.6ヘクタールとなっております。
収穫量としましては、平成29年産は5,670キログラムとなっております。平成30年産の収穫量は現在検査中であり確定しておりません。
現在、平成30年度に発足しました生産者、加工業者、宮崎大学、JA都城、県及び市が一体となって「みやだいず」を活用して地域活性化に取組む「みやだいず地域おこしプロジェクト」を中心に、生産拡大、加工、販売について検討を進めております。一大産地化するためには、栽培技術の確立、加工品開発や販路拡大が課題であると考えておりますので、引き続き産・学・官の連携を密にして取組んでまいります。
作付面積が、29年度5.2ヘクタールから30年度7.6ヘクタールということですが、本年度は収穫量が確定していないとのことで29年度で比較しますが、本市の大豆作付面積は平成28年度で184ヘクタール、収穫量が140tになっています。平成29年度の「みやだいず」作付面積、収穫量と比較すると、いずれも全体の4%程度のようです。この割合を増やすためには、答弁にありましたように生産拡大や栽培技術の確立が重要になってきます。もちろん、販路や加工品開発についても消費者ニーズに合わせて進める必要があります。
それでは、生産拡大を図る中で、やはり重要になってくるのは廃止された種子法に定義されている奨励品種になることも重要ではと考えますが、実際のとこ主要農作物種子法いわゆる種子法については、本年度4月より廃止されておりますので、県がその取り組みを独自に引き継いで行っている「宮崎県主要農作物等採種事業実施要項」に定められている奨励品種に「みやだいず」が選定されているか、選定されている品種は何かお尋ねします。
【答弁】
「宮崎県主要農作物等採種事業実施要綱」は、国の主要農作物種子法廃止前と同様の種子生産体制を維持するものであり、本県における大豆としましては、フクユタカとキヨミドリの2品種となっております。「みやだいず」は選定されておりません。
農林水産省政策統括官穀物課が公表している、「国産大豆の品種特性」によれば、フクユタカは九州のほか東海、近畿、四国で栽培されており日本で最も多く栽培されている品種、キヨミドリは良質の青大豆で、宮崎県で多く栽培されているようです。その用途としては、いずれも豆腐が適していると記されています。「みやだいず」の能力として市の広報に掲載されていた内容を見ると、収量はフクユタカと同等、またはそれ以上の成果が上がった畑もあったと記されています。また、先日宮崎日日新聞に掲載された宮崎大学受託研究報告会の記事によると、フクユタカと比べ機能性成分イソフラボン含有量がやや高いとの解析結果を報告したとありました。
こういった分析や収穫実績を上げていくことで、「みやだいず」の可能性は広がると考えていますが、県はこの度、「宮崎県主要農作物等採種事業実施要項」にかわり「宮崎県主要農作物種子生産条例」を本年4月に施行する予定と聞いています。その概要と「みやだいず」への影響はどうなのか、「みやだいず」が奨励品種となる可能性はないのかお尋ねします。
【答弁】
この条例は、本県の主要農作物等(稲、麦、大豆及びそば)の品質の確保及び安定的な生産を推進するため、主要農作物等の将来にわたる優良かつ安価な種子の生産及び安定的な供給を図るため、本年4月に施行される予定となっております。
概要としましては、県、採種団体や指定種子生産者の役割を示し、種子の選定や種子生産ほ場の指定・審査などについて具体的に定めたものです。
奨励品種選定の手続きとしましては、県が定める実施要領に基づく申請が必要となります。申請をしますと、調査機関である宮崎県総合農業試験場が県内のニーズに適した品種であるか等を検討し、調査対象品種として決定されることになります。
調査対象となる品種は、品種が安定していること、調査に必要な種子が十分供給されること、病害虫抵抗性など主要な特性について検定により明らかにされていること、比較栽培試験等により対照品種から改善された点が認められること等の要件を満たす必要があります。なお、調査期間は原則3年となっております。
「みやだいず」につきましては、「みやだいず」が在来品種であり、昔から流通していることから、種苗法上の品種登録要件のうち、日本国内で譲渡していないこと、すなわち「未譲渡性」を満たさないため、現在の「みやだいず」では奨励品種の指定は難しいと考えられます。過去の奨励品種を見ましても、在来種そのものを奨励品種とした事例はありません。
しかしながら、在来品種から何らかの特性に特化した改良を進めることで奨励品種に採用さる場合もありますので、「みやだいず」につきましても、同様の取組みをすることで奨励品種として認められる可能性はあるものと思われます。
答弁を頂きましたが、国の種子法廃止の背景としては、種子の品質が安定してきたこと、全国一律の奨励品種を定めるなどの措置の必要性が乏しくなっていること、都道府県中心の制度であることなどが理由だったようです。実際に奨励品種があるため、答弁にあったように優れた在来品種が淘汰されてきた背景もあるようです。
今後、「みやだいず」を栽培する契約農家を増やしながら、優れた成績の種子を選定し研究を重ねることで日本を代表する品種として「みやだいず」が広がる可能性も秘めています。せっかく発見された貴重な資源を有効に活用し、大事にしていくためには、市民の皆様に愛されるものとなる必要があります。過去の六次産業化に関する質問でも述べてまいりましたが、地元で愛されないもの、認知度がないものをいくらPRしても、いざ都城に来た時に市民が誰も知らないようでは意味がありません。まずは、都城市民全員で「みやだいず」をしること、関連商品を買うこと、地元産品と愛される環境を作っていくことが非常に重要だと私は考えます。他の六次産業化商品や地元産品も含め、草の根的な取り組みをこれまで以上にしっかりとおこなっていただき、市民に愛される「みやだいず」、国民にかかせない「みやだいず」となるような取り組みを期待しすべての質問を終わります。
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