◎本市の農業振興について
こんにちは。元気みなぎる都城を目指して活動しております。進政会の川内たかゆきでございます。
それでは、通告に従って、本市の農業振興と接遇向上について順次質問をさせていただきます。
さて、農林水産省が平成27年12月22日公表しました農林水産統計によると、平成26年の本県農業産出額が全国5位となり、前回の6位から順位が上がったことがわかりました。農業産出額については、前回調査時が3213億円、今回が3326億円ということで113億円伸びています。項目別に見ますと肉用牛が44億円、乳用牛が同率、養豚が33億円、ブロイラーが69億円という結果であり、それぞれ増額しております。ただし、米に至っては前年比マイナス31億円、全国合計では前年比マイナス3489億円であり大幅に減少しています。このことからも農業の抱える問題は、今後ますます大きくなってくることが予想されます。特に、担い手不足、高齢化、TPPへの懸念といった多くの問題が農業には山積しております。
本市においては、この農業こそが基幹産業であり、たびたび申し上げておりますが農業の振興なくして都城の発展はないと考えております。そこで、いくつか質問してまいりますが、はじめに本市の農家数のうち、この1年で廃業した農家戸数がどれくらいあるのか、和牛生産、和牛肥育、乳用牛、養豚、ブロイラーそれずれについてお尋ねします。
以上、壇上からの質問を終わり以降は自席にて行います。
【農政部長答弁】
今回答弁します数値については、県の実態調査に基づくものであり、平成26年2月1日の戸数に対して平成27年2月1日の戸数の比較であります。
和牛繁殖農家については91戸、肥育農家については6戸、酪農家については2戸、養豚農家については10戸が廃業しております。
ブロイラー農家については6戸の増加となっております。
和牛農家の減少がかなり目立ちます。特に、生産農家については91戸と多く、平均年齢は年々上昇している状況です。生産農家が今後も減少し続ければ、全体の飼養頭数や価格にも影響が出てくると考えられます。
そこでお尋ねしますが、最新の畜産農家の飼養戸数と飼養頭数について、肉用牛、乳用牛、養豚、ブロイラーについてお尋ねします。
【農政部長答弁】
県の実態調査に基づく平成27年2月1日現在の飼養戸数及び飼養頭羽数を申し上げます。
肉用牛のうち繁殖農家の飼養戸数は1千405戸、飼養頭数は3万4千749頭、肥育農家の飼養戸数は156戸、飼養頭数は2万4千333頭であります。
養豚農家については、飼養戸数101戸、飼養頭数は36万9千347頭であります。ブロイラー農家については、飼養戸数123戸、飼養羽数は749万4千957羽となっております。
農家戸数減少が飼養頭数の減少につながっていると推測できます。
しかし、肉用牛については少ない農家で、飼養頭数を維持している背景が見て取れます。農林水産省の畜産統計によると肉用牛の飼養戸数は前年度と比較すると、全国で3100戸マイナス、飼養頭数は7万8000頭減少しています。だた、一戸当たりの飼養頭数は1.2頭増加しており45.8頭。平成23年度からの推移を見ても39.7頭から年々増加しております。こういった背景が、最近の子牛価格動向にも絡んできていると思いますが、この子牛の価格動向について昨年の2月と今年の2月の平均価格はどうなっているのか、和牛、乳用牛、交雑種それぞれについてお尋ねします。合わせて、購買者の購入頭数の割合は県内、県外でどうなっているのかもお尋ねします。
【農政部長答弁】
子牛の価格については税込み平均価格で申し上げます。まず和牛の子牛価格について述べますと、昨年2月と比較して、雌が14万5千749円高の72万6千41円、去勢が18万5千891高の84万5千25円となっております。
乳牛の子牛価格については、雌が6万4千800円高の7万1千280円、雄が5万8千971円高の10万7千676円となっております。
交雑種の子牛価格については、雌が8万2千501円高の22万7千450円、雄が9万3千50円高の29万5千470円となっております。
次に、本年2月のセリ市における購買者の県内と県外の購入頭数の割合について述べますと、和牛子牛については、県内44.3%、県外55.7%となっております。
乳牛及び交雑種については、県内73.4%、県外26.6%となっております。
この一年で子牛価格がかなり上昇しております。現在の価格は、5年程前と比べると倍ぐらいになっていると思います。この価格が高騰し続けている背景についてどのような見解を持っているかお尋ねします。
【農政部長答弁】
子牛価格高騰の最大の原因は、全国的な子牛の不足であり、その背景には、生産者の高齢化に伴う廃業、担い手不足による生産基盤の弱体化が考えられます。
子牛の慢性的な不足により、購買者による「子牛の取り合い」となり、かつてない高値になっているところです。
やはり答弁を聞いて感じることは、背景の考察がざっくりしている印象です。
答弁の内容は、せり市や品評会などで農家さんをはじめ多くの方々からお聞きした内容とかわりません。
全国の肉用牛の飼養頭数7万8000頭減少は前年比マイナス3%という数値です。そのことが、「慢性的な子牛の不足」といえるのか。なぜ購買者は高値を付けて「子牛の取り合いをするのか」、そこのところを幾分も述べる事が出来ないというのは、どうなのでしょうか。もちろん、私もはっきりした答えを持たない。だから質問をしております。「基幹産業 農業」という名実ともに全国に誇れる看板を持つ本市の見解を聞きたかったからです。
子牛価格の高騰とおなじく価格が上がっているものがあります。枝肉価格です。この一年で枝肉の価格はどんどん上がっています。価格が上がらない、あがっても期間的に一時的にあがる程度だった枝肉価格がどんどん高騰している。数年前は子牛価格高騰に対し、枝肉価格が伸びず肥育農家の悲鳴にも近い声をたくさん聞いてきました。ちょうど「わくわくお肉の日」という消費拡大CMが流れ始めたころです。
ところが、ここ数年の和牛去勢のA4肉の東京市場価格は、25年度がキロ1888円、26年度は2037円、27年度は12月までの平均で2389円と年々上昇しており、月ベースでも前年比120%となっています。最近ではキロ3000円を超えるという日もあります。数年前A4、A5の価格だったものがA3やA2の価格となっています。枝肉の価格が上がるということはそれだけ需要があるということです。農林水産省公表の「畜産物需給の推移」をみると平成19年から徐々に需給量が増え始め平成26年基準でみた場合、10年前と比べると5万トン増えています。生産量は50万トン、この数値は10年前と同じ数値です。一人あたりの供給量はこの10年で5.6kgから5.9kgとなっておりますがほとんど変わっていない現状です。
では何が変わっているのか。農林水産省公表の「食肉の消費構成割合」を見てみると、牛肉の消費割合は家計消費ではここ数年33%~34%程度と変化ありませんが、業務用や外食等での牛肉消費割合がここ数年で5%~7%程度増加しており消費全体6割を占めています。
一般社団法人日本フードサービス協会のまとめた27年12月の外食産業市場動向調査では、全体で102.7%の伸びとなっており、居酒屋以外のすべての業態で前年比を上回っています。
また、厚生労働省公表の2013年の国民健康・栄養調査結果によると、すべての世代で魚介類の摂取量が減少する一方、肉類はすべての世代で伸びており、世代別にみると60~69歳では2003年と比べ34%増、70歳以上では39%増となっております。全体の伸び率が16%増であることを考えるとかなり高い伸びとなっています。このことは大きな変革であり、少子高齢社会の日本の今が垣間見えます。
私は、このあたりに価格高騰の理由の一端があるとみています。需要と供給がうまく合致してきている。逆に家計消費割合が年々増えている豚肉は、業務用や外食等の消費割合が年々落ち込んでいる為に枝肉価格は低い状況が続いています。データからわかることはたくさんあります。別に特別な手法を使わなくても、公表されているデータ集め、実情と照らし合わせていけば、単なる推察にとどまらない一歩進んだ見解が出る、だからどうするといった対策が生まれてくると考えます。基幹産業を農業とし、対外PRの面でも武器とする本市としては、やはりある程度しっかりした考察、ビジョン、取り組みが必要ではないでしょうか。もう少し真剣に考えて頂きたい。
では、肉用牛についていえば価格が高騰し続けているのに、なぜやめていく農家が増えているのか。先日も、ある和牛農家の方と話をしましたが、「現状がいつまで続くか分からないので高いうちにすべて売り払ってやめる」とおっしゃっていました。同じような考えでここ1年お辞めになった農家さんを多数見てきました。やはりそこには、先行きの見えない現状への不安が新たな投資や、新規就農、後継就農を足踏みさせているのだと思います。減り続ける農家戸数に対し劇的に新規農家、後継農家を増やすことはできません。しかしながら、新規農家、後継農家の手助けとなるものがあれば、未来への可能性は残されていると考えます。
そこで、28年度から実施予定である農業後継者支援事業について事業の詳細と、すでに就農している新規事業対象者への対応についてもお尋ねします。
【農政部長答弁】
本事業は、本市の農業を維持し発展させていくために、一人でも多くの農業後継者等を確保するため、後継者が継承するきっかけとなり、農業者として定着することを目的としています。
事業内容としましては、国の青年就農給付金の要件に合致しない農業後継者の場合、1か月5万円の年間60万円、新規参入者の場合、1か月10万円の年間120万円をそれぞれ最長2年間給付し、後継者を含む新規就農者の定着を図っていきたいと考えております。
対象者は、進政治において3カ月以内に就農予定または就農後1年以内の農業後継者と新規参入者になります。ただし、新規参入者が、農業に関する知識や実務経験等が全くない状態で独立自営就農を開始しようとする場合は、農業技術習得を目的に研修施設などで農業経営に関する研修を実施するため、就農後2年以内に申請すれば給付の対象となるよう考えているところです。
このような支援策については、これまで市民の皆様からの要望もたくさんあり、また産業経済委員会でも要望をしておりましたので、非常に期待しております。また、すでに就農している方についても1年はさかのぼって適用可能となるとのことで安心しました。担い手不足、農家の高齢化といった大きな問題を抱える本市農業の未来への手助け、未来への投資になるものと思います。
次に26年度より実施されております畜産クラスター事業についてお尋ねします。本事業は、畜産農家をはじめ、地域の関係事業者が連携・結集し、地域ぐるみで高収益型の畜産を実現するための事業ですが、県内の畜産クラスター協議会の設立状況と本市の状況及び取り組み内容、今後の取り組みについてお尋ねします。
【農政部長答弁】
県内では、現在のところ27の畜産クラスター協議会が設立されております。都城・北諸県地区で肉用牛、養豚及びブロイラーの3畜種で設立されており、肉用牛はJA都城が、養豚とブロイラーは本市畜産課が事務局となっております。なお、酪農と採卵鶏につきましては県全域で一つの協議会が設立されており、酪農は県経済連が、採卵鶏は県養鶏農協が事務局となっております。
この畜産クラスター事業は、畜舎の整備を行う整備事業と、機械導入の支援事業に区分され、補助率はいずれも2分の1以内となっております。これまでの本市の取り組みとしましては整備事業で3件の取り組み主体が畜舎の整備などを実施し、支援事業で72件の取り組み主体が機械導入を実施しております。
今年度、国の追加補正がありましたので、整備事業に15件、機械導入に185件の要望があり、現在、採択に向けてそれぞれ実施計画等の準備を進めているところです。
今後も各畜種において事業の趣旨に沿った取り組みについて支援してまいります。
畜産クラスター事業については、考え方や期待値は大きいものの、そのモデルや地域実態においてふわふわしたものを感じております。整備事業、機械導入事業の実績が、本市の畜産にどのような結果をもたらしていくのか。やはり本事業の目的である「地域の関係事業者が連携・結集し、地域ぐるみで高収益型の畜産を実現する」という目的をしっかり達成していかなければならいと考えています。これからの担い手不足や畜産振興、地域間競争から一歩抜け出すためには、必要な事業だと期待しております。ぜひ、連携・結集の実績でもって全国的に注目されるモデルを構築してもらいたい、また、そのサポートにこれまで以上に取り組んでいただきたいと思います。
次に、26年度より取り組んでいるモンゴルへの都城産宮崎牛の販路拡大事業について、これまでの成果と今後の目標、展望についてお尋ねします。
【農政部長答弁】
友好交流都市であるモンゴル国首都ウランバートル市の市場調査を平成26年度に行い、平成27年度は販路拡大の可能性を求め、県の協力を得ながら都城産宮崎牛のPR活動を行いました。またあわせて、自然と伝統のある都城市の魅力を紹介しました。
内容としては、在モンゴル日本国大使館主催の天皇誕生日祝賀レセプションで牛しゃぶを400名の招待客へ振る舞い、さらにウランバートル市内の日本食レストランを貸し切って、講演会と試食会を開催し、鉄板焼きステーキ、牛しゃぶや炙り寿司を振る舞うなど、魅力を十分に伝えることができました。
また、試食会アンケートの結果などからも高い評価を得ることができました。
現在のモンゴル国は、人口300万人、ひとりあたりのGDPも我が国に比べて約10分の1と市場としては小さいですが、豊富な地下資源を背景に今後も著しい経済発展と人口増が見込まれることから、他県に先駆けたプロモーションを今後も継続して行くことが、ひいては都城産宮崎牛がモンゴル市場を席巻することにつながるものと考えております。
【市長答弁】
市場的には小さい規模でありますが、経済発展による富裕層の増加もあり市場としてはどこも手をつけていないため、開拓の可能性はある。
ただし、5年というタームではなく10年、20年といったタームで見ていく必要があると考えている。
答弁をお聞きし、評判はいいということですが、本事業の推進によってどうしたいのか、具体的な展望、目標が見えないというのが正直なところです。友好交流都市であるウランバートル市だから、というのがきっかけだと思いますが年々事業費も上がってきている。食文化、需要、などの市場調査を踏まえて例えば、「推進していくことで、モンゴルの和牛市場において、都城産の牛肉が全体供給量の80%を占めるほどまで市場開拓していきます。」といった具体的な展望はないのでしょうか。牛しゃぶや炙り寿司を振る舞って評判が良かった、日本一の宮崎牛は評判が良くて当然です。問題はどうしていくのかというビジョンです。
日本からモンゴルへの農林水産物貿易における輸出品目1位は牛肉であり、農林水産省の2014年発表データを見ると、日本からモンゴルへの全体輸出額が293億円、そのうち牛肉輸出額はおよそ3億65000万円あります。戻りますが、本市としてこの3億6500万円の輸出額、輸出量のうち○%を都城産宮崎牛にすることにより、●●万円の利益をもたらすことができる、といった目標ビジョンがなければ、ただお金を使って宮崎牛を振る舞っただけになりませんか。新たな販路拡大として事業に期待したい、それだけにより緻密なビジョンを持って、一過性のものと片づけられないような取組をすべきではないでしょか。
あわせて、モンゴルでは2014年から断続的に口蹄疫が発生中です。ウランバートルでの発生は確認されておりませんが、渡航の際には防疫へも細心の注意を払っていただきたいと思います。
次に、同じく海外への販路拡大へ取り組みとして、県が実施している東アジア戦略がありますが、連携も含め県内1位の農業産出額を誇る本市の農畜産物をどのように売り込んでいるのかお尋ねします
【農政部長答弁】
宮崎県は、平成24年3月に「みやざき東アジア経済交流戦略」を策定しており、横断的な「オールみやざき」による県産品の輸出体制を構築し輸出促進を図ることとして、各種協議会の設置や国や九州各県などと連携し取り組みを強化しています。
本市においては、市内の事業者から相談があった場合には、県の担当課やジェトロ等の関係機関や実施されている事業を紹介しております。
また、一般社団法人都城圏域地場産業振興センターでは、地場企業の販路拡大のため、平成25年度から東アジア市場調査を目的に東アジア各地域のトレードショーや県駐在事務所等へぼ視察を実施しております。
「オールみやざき」という看板の元、展開されている戦略でありますが、まだまだ個々の域を脱していないと感じてます。本市の農畜産物や六次産業化商品の販路拡大につなげるためにも、より一層の売り込み、連携を図っていただきたいと思います。
モンゴル開拓の件にもつながりますので、ある調査結果をお伝えしたいとおもいます。農林水産省が外部委託して実施した海外の牛肉マーケットにおける「都道府県ブランド」の意義及び「和牛統一マーク」使用の効果に関する調査報告書の内容の中に、「豪州産和牛」と比較についての項目で、「宮崎牛」や「神戸牛」といった都道府県産和牛表記のものよりも、「日本産」と表記された和牛のほうにより高い金額を支払うという調査結果が出ています。これは「日本」のもつ安心安全なイメージから来ていると推察されます。より効率的に、わかりやすく、プレミアム感を持って海外で勝負するうえでは、「オールみやざき」よりも「オールジャパン」といったジャパンブランド戦略のほうがうまくいく可能性を秘めている。そういう意味では、自治体間の連携をより強め、広域連携でもって海外戦略を行っていく必要性も感じております。このあたりも含め本市の取り組みにおいても「個」にとらわれない広い視野で戦略をとっていただきたいと思います。
次にTPPの影響についてお尋ねします。1月に県はTPPの影響について最大93億円の生産減、JAは686億円の生産減と試算を出しております。影響額に試算差が話題となりましたが、本市ではどれぐらいの影響を見ているのかお尋ねします。
【農政部長答弁】
本市の農林水産物円への影響につきましては、国・県と同じ方法で算出しております。
本件に影響があると見込まれる11品目のうち、本市において影響があると見込まれる牛肉、豚肉、牛乳乳製品、鶏肉、鶏卵の5品目について、影響額が最少で12億円、最大で約24億円の生産減と試算しております。
本市の影響額の約53%が豚肉、約38%が牛肉、約7%が鶏肉でございます。また、残りの6品目のでんぷん原料作物、加工用トマト、かんきつ類、りんご、合板用林産物、水産物については本市の生産量が少ないことからほとんど影響がないと思われます。
政府公表のTPPによる農林水産物の影響試算によると牛肉でマイナス3600億円、豚肉でマイナス4600億円、鶏肉でマイナス990億円と試算されております。宮崎県の農業産出額の内、30%を占める本市においては、試算以上の影響が出るのではないかと心配しております。TPP発効時期はまだ分かりませんが、それまでにできる適切な対応、対策をとるべきだと考えます。その点においては、県は新年度よりTPP対応強化のため農政3課の再編を発表しましたが、本市の影響並びに連携をどのようにお考えかお尋ねします。
【農政部長答弁】
県においては、TPP対応強化のため農聖3課の再編について発表されましたが、本市においては今のところそのような再編計画は予定しておりません。今回の再編に伴う大きな影響は特にないと思われますが、県で新たに編成される関係課とは、TPP対策をはじめ諸施策等について、県との連携を密にして、更なる農業振興策に努めていきたいと考えております。
再編に合わせた本市の再編計画はないとのことですが、TPP対応のみならず、基幹産業である農業振興策にこれまで以上に力を入れていく体制を鋭意検討していただきたいと思います。本県の農業をけん引していく、その責任も地盤も持ち合わせているのは本市であります。国、県との更なる連携を期待しております。
次に、これからの農業新時代を切り開いていく上で注目されている、農地中間管理機構についてお尋ねします。効率的な農業経営、生産力の高い農業、遊休農地の活用など、担うべき責任は非常に多い農地中間管理機構ですが、本市の実績はどのようになっているのか、また、農地集積が進まない要因は何か今後の推進策も含めてお尋ねします。
【農政部長答弁】
本市における「農地中間管理機構」を利用した農地の賃貸借の実績は、平成28年3月1日現在で135ヘクタールとなっております。
本市の平成27年度の本市の目標面積は548ヘクタールですので、25%の達成率となっております。
農地集積が進まない要因として、所有者が機構に対して無条件で10年間貸し出すことへの抵抗を感じていること、未相続農地の同意取得が困難であること、また、大型機械で耕作できない未整備箇所では、耕作者を見つけることができないことなどが考えられます。
今後は、今年度同様、様々な組織・団体等に対して推進を図っていきます。
本事業については、目標がありその達成は大事ですが、「担い手への農地集積、耕作放棄地の発生防止・解消の抜本的な強化」という事業の目的がありますので、目的に沿った効果の高い実績を積んでいただきたいと思います。中山間地域で推進策、最近問題となっている農地の生前相続の啓発も必要ですし、28年度より地域集積協力金が減額となることから、これまで以上に個々の農家の協力、働きかけも必要となってまいりますので、本来の目的につながるようこれまで以上に取り組みを期待しております。
ここまで、本市の農業振興について質問してまいりましたが、本市として基幹産業を維持していくための取り組みとして、中長期的な農業振興ビジョンの必要性を感じております。今後、「基幹産業 農業」の維持、発展をしていくためどのような対策が必要と考えているのかお尋ねします。
【農政部長答弁】
本市においては、農業産出額で全国トップクラスを誇るものの、TPP問題をはじめとする国際競争の激化、担い手の高齢化や後継者・労働力不足に加えて、農地の集積・集約の遅れや家畜疾病の被害、飼料や燃料価格の高騰をはじめとする生産・流通コストの増大など多くの課題を抱えています。今般発表されました2015年農林業センサスを見ますと、本市の農業就業人口は2010年の8千386人から5千856人に減少し、40歳未満の若年農業者人口の全体に占める割合は、5.6%と非常に少ない状況でございます。特に、本市の農業祖生産額の8割以上を占める畜産農家の減少に伴う出荷頭数の減少については、極めて大きな問題であると考えています。
これまで、本市では、農林畜産業の振興につきまして、やる気のある農林畜産業者の方々へ6次産業化へ向けた取り組みを積極的に支援し、農家所得の向上につながる施策を推進しております。また、畜産振興についても和牛能力共進会での日本一獲得に向けた取り組みを積極的に支援するとともに、都城産宮崎牛のPRも行っております。さらに、圃場区画の拡大など農地整備や畑作営農の確立を図るとともに、担い手の確保及び農地の集積化などの取り組みを進めているところでござまいす。
今後は、農業のハード、ソフト両面の基盤整備による作業効率や生産性の向上を図り、地域農業経営の安定化と食料の安定供給を目指しもうかる農業の実現に向けた施策の展開が必要と考えております。
さまざまな問題、課題が山積しているのが今の農業の現状です。それらを少しでも解決し、これからの農業を築いていくことがいま求められているものではないでしょうか。顕在している各種課題に対し、これについてはこうした対策をとればうまくいくのではないか、あれについては今がこうだからもっとこうしてみよう、ではいつから始めよう、いつまでに達成しよう、こういった単純ですが当たり前のビジョンがもっと顕在してほしいと思っています。これからの本市の基幹産業農業の振興に、「本気」で取り組んでいくことが何より大事であり、県、ひいては日本の農業をけん引していく地盤ができるのだと考えますので、今後もより一層の取り組み本気でしていただくよう申し述べておきます。
◎接遇向上
つぎに、本市の接遇向上の取り組みについてお尋ねします。本年度は、市民の皆様への接遇向上の取り組みを強化する目的で、695万の予算の措置で事業が展開されておりますが、本年度の取り組み内容と成果、新年度の事業内容についてお尋ねします。
【総務部長答弁】
本市では、来庁される市民の皆様に気持ちよく手続きや相談をしてもらえるよう、兵セ27年度から接遇向上の取り組みを強化しております。
平成27年度に取り組みました接遇向上事業といたしましては、全職員を対象とした接遇講演会や部課長を対象とした管理職向け接遇研修、さらに本庁1・2階の職員を対象とした接遇集中研修の3つの接遇研修を行ったほか、部課長級職員による挨拶などを実施いたしました。
また、本市の接遇の現状と課題を把握するため、接遇研修実施前の5月と実施後の1月に外部調査員による接遇モニタリング調査を行いました。なお、この接遇モニタリング調査結果は、職員の窓口応対と電話応対について、あいさつやわかりやすい説明、言葉遣いなど、計8項目を外部調査員が調査を行っております。
これらの取り組みの成果といたしまして、先ほどご説明いたしました接遇モニタリング調査結果では、研修実施前の達成率が68.8%だったのに対し、研修実施後の達成率は、78%で9.2ポイント上昇しました。特に、窓口応対につきましては、研修実施前の達成率が63.8%だったのに対し、研修実施後の達成率は75.6%で11.8ポイント上昇しております。
一方で、本庁1・2階に来庁されました方を対象に実施した接遇アンケートや先ほどご説明しました外部調査員による接遇向上モニタリング調査で、職員のあいさつや身だしなみ、説明の仕方などについてご指摘をいただいており、改善しなければならない点もあることから、更なる接遇向上のため、引き続き取り組みを推進してまいります。
さらに、本市では、宮崎県消防学校と陸上自衛隊都城駐屯地への派遣研修を行っておりますが、これは、一般社会での日常のしきたりを守れる職員を育成することのほか、非常時の対応力を高めること、仕事に対する姿勢を見つめなおすことを目的としております。
こうした研修を通じて、市民の皆様のすばやい対応や、非常時における的確な対応に役立て、更なる市民サービス向上を図ってまいります。
平成28年度の事業内容といたしましては、新たに接遇ワッペンを作成し、職員一人一人が接遇目標を掲げ、その目標をワッペンに記入して常時着用することにより、常日頃から接遇向上の意識を持ち応対する事で、職員の接遇向上を図ってまいります。
また、平成27年度から実施しております接遇集中研修を、本庁1・2階に移動してきた職員を対象に行います。その他、外部調査員によります接遇向上モニタリング調査や宮崎県消防学校と陸上自衛隊都城駐屯地への派遣研修、部課長職員によるあいさつ運動などにつきましても引き続き実施し、民間トップレベルと同等の接遇を目指してまいります。
接遇の改善が見られているようで安心しました。新年度においても更なる接遇向上が見られればと思いますが、答弁において接遇アンケートを実施されたとのことですが、その回答数と実務への反映についてお尋ねします。
【総務部長】
昨年4月と11月に本庁1・2階へ来庁された方を対象に、接遇アンケートを実施しました。
アンケートの調査機関及び回答者数は、4月のアンケート調査では4月20日から5月15日までに434人の方にご回答いただき、11月のアンケート調査では11月9日から11月20日までに152人の方にご回答いただきました。
アンケートで寄せられたおもな意見としましては「親切・丁寧な対応に感心した」「昔と比べて良くなった」など、おほめの言葉をいただいた一方で、職員のあいさつや笑顔がないこと、服装などの身だしなみが整っていない、説明がわかりにくいといったご指摘を頂きました。
アンケート結果は、すべての部課長に対し説明を行ったほか庁内掲示板に掲載して職員に周知しております。また、4月のアンケートでいただいたご意見は、その後に実施した接遇研修の内容に盛り込み、指導を行いました。11月でいただいたご意見は、文書で核化へ周知すると共に、特に気をつけないといけないご意見につきましては、該当する課の課長に指導を行っております。
今後も引き続きアンケート調査を行い、市民の皆様から頂いたご意見を参考に接遇の改善に努めるなどして、更なる接遇向上につなげていきたいと考えております。
アンケートが、ただの調査にとどまらず、接遇改善へ活かされているようで安心しました。モニタリングの調査結果で、接遇の向上がみられるとのこと、これは市民の皆様からも声が届いております。また、災害時の後方支援拠点である本市の求められる対応を考えれば、消防学校や自衛隊での研修も生きてくるといいなと思います。
一方で、答弁の中に民間トップレベルと同等の接遇を目指すと述べられました。接遇向上は、市民に皆様に対する福利厚生の一環でもあると考えております。接遇の向上がみられるようですが、未熟ながらも営業畑を歩んできた私から見ると、民間のトップレベルを目指すには相当な改善が必要だと感じています。1・2階に限らず庁舎、支所に及ぶまで市民の方々はおいでになります。私もそうですが厳しい目線で市民の方々から見られております。私たちがそういう立場だからです。
市民の方から寄せられている声の一部を申しますが、例えば、予防のためのマスク着用をしての対応、顔がわからない。せめて一度顔を見せてから対応すべきではないですか。顔がわからないので名札を見ますが、裏返っている、胸ポケット入っている、次伺った時に前回の方がわからないといった声、窓口の方に聞きたい内容をお話するが、その方では分からず、いちいち奥の職員の方に確認を取って、何度も何度も繰り返し、姿が見えているのに窓口に来ない、といった声、わからないから窓口に何度も相談しに来ているのに、高圧的な態度でこの間も説明したでしょと言われた、という声などきびしい声があります。こういった声は以前からあると思います。だからこそ、この事業には期待をしております。しておりますが、接遇とは、心がけひとつで変わるもので個々人の意識の改善でどうにでもなると私は思います。2ヵ年で約1000万円もかけてするものではないとも思っています。予算の賛成には、少しでも改善してほしいという期待を込めております。本来ならば、接遇向上「0予算」でやりますといったほうがしっくりくる。市民の方がお寄せになる声、それはそのまま調査結果ではないですか。新年度以降どうなるかわかりませんが、もう少し、自浄努力でもって接遇向上に取り組むことを期待しております。
最後に、1Fロビーの総合案内板についてお尋ねします。今月の広報にも掲載されていましたが、タッチパネル式となり利用状況はどうなっているのか、利用実績などが把握できるシステムなのか、また、利用促進や周知の為にぼんちくんのイラスト活用についてお考えがあるのかお尋ねします。
【総務部長答弁】
本庁舎1階ロビーに設置いたしましたデジタルサイネージは、本年2月1日より稼働し、約1か月が経過したところでございます。
このデジタルサイネージは、設置費用約400万円を業者の方が負担されたもので、更に月々1万3千500円の広告料が市に入る契約になっております。
以前の総合案内板に比べ、電照式のパネルや42インチモニター2台、55インチモニター2台を設置したことから、明るくなり、情報発信力や利便性が格段に高くなりました。
来朝者の方の声として、以前よりも設置図がわかりやすくなった、会議情報も案内されていて素晴らしいなどと好評をいただいております。
タッチパネルの利用数については取扱数を集計するようなシステムになっておりませんが、案内担当者からは、毎日数人の方が利用されていると聞いております。
今回低い位置でのタッチパネルになり、目線の低い子どもさんでも扱いやすいことから、たまに親子で訪れた子どもさんがタッチしている所もみかけ、大変親しみを持っていた頂ける設備になったのではないかと考えております。
市民サービス向上のためにも、この設備を多くの方に利用して頂けるよう、タッチパネルの内容や表示について、ぼんちくんのイラスト活用も含め、今後設置業者の方と相談しながら充実を図ってまいります。
おおむね好評のようで安心しました。庁舎内の部局案内板は、以前からわかりにくいという声を聞いておりまして、今回の総合案内板では希望するかがどこなのか、窓口はどれか矢印で表示してくれるので非常に便利になったと感じております。ただ、案内板のどこがタッチ式パネルで利用できるのか、普通の看板に見える側面もありますので、ぼんちくんの案内板設置や画面への表示などでより一層の市民サービス向上につなげて頂きたいと思います。
以上ですべての質問を終わります。
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